親友と桜ヶ丘

雨の日曜日。。
春の訪れを喜ぶように咲き始めた桜も
今日はどこか淋しそう。。。
桜の木の下には、幾千もの魂が眠っていると言う。
私には、その哀しい思いが、
ほんのひと時の間、
「どうぞ私の思いを忘れないで」と
壮麗な花を咲かせるように思えてならない。
私が卒業した高校は、
「桜ヶ丘高校」と言って、
その名の通り、見事な桜の老木が立ち並ぶ丘にある。
入学式の日、満開の桜の木の下で、
親友と共に真新しい制服で記念撮影をした。
私は、どうしても彼女と一緒にこの高校に進学したかった事、
思い出す。。
中学3年になって間もなく、
我が家は引っ越しをした。
私は、暗黒の中学生活を抜け出すべく、
引っ越しに便乗して、転校した。
転校先の中学で出会った担任の先生は、
花のように笑う、お母さんのような先生だった。
クラス全体が明るく、
クラスメートは、互いに
仲良しって言うのとはちょっと違う
子供の頃の純粋さを持ちながら
大人な思いやりを持って存在しているような
なんとも心地よい空間だった。
あの一年間が無かったら、
私はどうなっていただろう。。。
転校先の中学でも、
何となく、テニス部に入った。
そこで、学年中の人気者で、部長の千秋と出会った。
物凄く真剣にテニスをやっている部で、
私は、そこからテニスにハマった。
高校受験にあたって、志望校を決める時、
テニス部の顧問の先生の出身校でもあり、
千秋も志望していた桜ヶ丘高校へ絶対に行きたくなった。
担任の先生は、ご自身の出身校であり、
音楽も盛んなワンランク上の高校を何度も何度も
勧めて下さったが、
私は頑なに断り続けた。
春には桜の花が咲き誇るような
丘の上に建つ桜ヶ丘高校が
夢と希望に満ちた
穏やかで大らかな学校の様に思えてならなかったからだ。
この中学の延長線上にある気がしてならなかった。
そういう所に行きたかった。
そして、思う存分、テニスに打ち込みたかった。
千秋と共に、テニスで高みを目指したかった。
私には、この中途半端なままじゃ終われないって思いがあった。
転校してきて、初めて、テニスの楽しさと出会い、
真剣にやり始めたけれど、
基礎の無い私は、思うようにならず、
「もっと早く出会いたかった。。」
というもどかしい思いを抱えながら、受験の為に引退した。
何か、物事を本格的にやりたいと思った、
初めての事だったのかもしれない。
温かな学校に来て、
私は、漸く、自分のやりたいことを思い切りやって、
輝く事の素晴らしさ、
その輝きを素直に認める仲間たち、、、
千秋の存在が、それを教えてくれた。
彼女は、在るがままに生きる人だった。。
私はどうも
才能や資質の無いものに
一生懸命になる質らしい。
テニス漬けの桜ヶ丘高校時代を過ごしたけれど、
テニスは、全く物にはならなかった(笑)
でも、全く後悔はしていない。
あの頃に培った基礎体力は、
歌い手としての私を大きく支えている。
そして、今も歌うことが辞められないのは、
「もっと早く出会いたかった。。」
「このままじゃ終われない。。」
って、思いからかもしれない。
もしかしたら、才能や資質の無いものに
一生懸命になっているだけかもしれない。
でも、私は歌うことが何より楽しい。。
歌っていたい。。
それだけで良いような気がする。
雨の日曜日、
桜の花と共に、親友を想う。。。

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